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執筆者の写真Pianeco Music

「ヘン」に感心した話

はじめてピアノを習う人が最初に苦労するのは、楽譜を読むことではないでしょうか。Pianecoピアノ教室では、どうにか音符を楽しくおぼえられるように、いつも試行錯誤しながらレッスンをしています。

先日の小学生のレッスンでは、音符カードを使いました。

ドレミファソ5枚の音符カードを好きな順番に並べてもらって、それを読みながら一緒に弾くという練習。

彼女が並べてくれたのはこんな順番。





これに私が簡単なコード(私がつけたコードは左から→ C Am F Em G)をつけて、一緒に弾いてみます。

弾き終わると彼女が「なんかヘン」というので、何が変なのかきいてみると


「終わりがなんかヘンな感じがする」


じゃあ、反対から弾いてみたらどうかなと提案して、今度は右から順番に弾いてみたところ


「こっちの方がいい!終わり方がいい!」


おそらく彼女が感じた「ヘン」な違和感は、私が弾いたコードのことだったと思います。

左から弾いた時にはGのコード、右から弾いた時にはCのコードで終わるのですが、Gのコードで終わるととても「ヘン」な感じがするのです。


なぜかというと、このGはドミナントというコードで、このドミナントはCに行こうとする力が強く、ここで終わってしまうととっても中途半端な感じがするのです。


たとえば、サザエさんのエンディングで「サザエさーんはーゆかいだーなー」じゃなく「サザエさーんはーゆかいだー」で終わってしまうような感じ。

最後の「なー」をつけてほしい気がしませんか?

「なー」まで行きたい!というこの欲求が、ドミナントの力なのです。


私が感心したのは、ピアノをはじめてまだ2ヶ月の彼女が、このドミナントの違和感に気づいたこと。

そして、その違和感を言葉にすることができたこと。


自分の意見を自分の言葉で表現することは、自分の音楽をつくる上でおそらく一番大切なことだと思います。


なので、本当に素晴らしいなぁとつくづつ感心してしまいました。


来週はどんな新しい発見をさせてくれるのだろうと、いつも楽しみです。

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